今回は、シロアリ以外の木材を加害する害虫についてです。
1.木材を加害する害虫
一般的に木材を加害する害虫の代表としてあげられるシロアリですが、シロアリ以外にも木材害虫は存在しています。
主な種類としてはキクイムシ、シバンムシというコウチュウ目に分類する種類となります。
成長になると鎧の様に皮膚が固くなる種類で、ガブトムシ、テントウムシなどもこのコウチュウ目に含まれます。
2.キクイムシ
キクイムシは名前を聞いた事がある方もいるかと思いますが、主な種類としては、ヒラタキクイムシと呼ばれるもので、4月から8月にかけて発生、特に多いのが5月から6月と言われています。
広葉樹を加害して針葉樹は加害しないといった特徴があり、そのあたりはシロアリとは異なっています。
家の躯体には針葉樹が多く使われている為、建物の強度を下げる様な被害は少ないですが、無垢のフローリングは広葉樹材を使うものも多く、また内装家具などでも広葉樹材が使われている為、そういったところに被害が出てきます。
実際、私のお伺いしたお宅でもピアノから粉が出ていて、確認するとキクイムシの被害だった事がありました。
3.シバンムシ
次にシバンムシという種類に関しては、主な種類としてはケブカシバンムシ、タバコシバンムシなどがおり、発生時期は6月から8月となっています。
ケブカシバンムシに関しては、家具などの比較的新しい木材も加害するキクイムシに対して、こちらは古材を好事が多く、神社、仏閣などの古い木造建築物に被害が出ています。
また夜間に発生する事が多いという特徴もあります。
タバコシバンムシは、木材害虫というよりも、小麦粉や植物性の食品を好み、キッチン周りなどで発生する事があります。
ただし、畳床なども加害する事があり、和室などでも被害が見られる事もあります。
コウチュウ目に分類するもので、家屋に発生するものは他にも何種類かあります。
小麦粉や菓子類を加害するコクヌストモドキ、竹材を加害するチビタケナガシンクイなど、見た目は似ていても、全く異なる生態など、調べてみると面白い虫が多いです。