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2024.10.15

身近に潜むカビの危険性

皆さん、「カビ」と聞いて、どう感じますか?

食べ物に「カビ」が生えた、履いていなかった革靴に「カビ」が生えた、タンスの中に入れていた洋服、家具に「カビ」を見つけた。

気分がいいものとはとても言えませんよね。

今回はカビに関する発生条件や種類・対策方法、健康面に関する事について調べてみました。住宅に潜む危険を認識して、正しい知識を身につけましょう。

1.カビの発生条件

①湿度 60%〜80%

湿度が60%を超えてくるとカビの繁殖が始まります。70%の状態が続くと2〜3ヶ月で発生し、80%になると2週間で発生します。湿度が上がるに連れて繁殖も活発になります。

近年の住宅は気密性が高い為湿気が逃げにくい環境と言えます。

特に、クローゼット、水回り、窓サッシ、日当たりの悪い場所は要注意となります。

 

②温度 

気温が20°〜30°、(6月〜9月頃)になるとカビが発生しやすい状況となります。

温暖・多湿の状態が続くと知らぬ間に、住宅の見えない場所にカビが発生しているかもしれません。

 

③栄養

炭水化物、タンパク質、糖分、皮脂や、建築内装部、ほこり、酸素、あらゆる物を栄養源にできるのがカビです。

 

2.温度・湿度データの記録と解析

<年間の推移>

 一般にカビの発生しやすい資料の場合、温度25度のとき、相対湿度が70パーセントだとカビは数か月で繁殖し、75パーセントを越すとその速度は急激に早まり、90パーセントではわずか2日で目に見える程度まで繁殖するといわれている[Michalski2000]。

 図1aは、大阪の2006年4月から2007年3月にかけての温度と相対湿度(気象庁データ)の推移である。年間の温度は、春から夏にかけてゆるやかに上昇した後、秋から冬にかけてゆるやかに下がっている。一方、相対湿度は、年間を通じてほぼ60パーセント以上と高い。なかでも6月後半から7月にかけては、温度25度以上、相対湿度70パーセントを超える日々が多く、カビが発生しやすい環境になっている。

 一方、図1bは、部屋のなかの温度と相対湿度の推移である(部屋には空調設備はないが、周辺の部屋からの空調の影響を受けている可能性はある)。建物の中では、外気の温湿度の変動が大幅に緩和され、夏季でも数値的にはカビが発生しにくい環境になっている。しかし、これはあくまでも空気の循環の良い場所のことであり、空気が滞留している場所では、局部的に固有の温湿度環境(マイクロクライメート)が形成される。一般に資料の密集している場所は、空調の有無にかかわらず、空気が滞留し湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい。

上記データ 文部科学省参照(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/08111918/003.htm)

 

3.健康被害

カビが人体に影響を与える物は様々です。

①アレルギー性鼻炎

花粉やダニなど、体内から異物を排除しようと主にくしゃみ、鼻汁、鼻閉の3つの症状が生じます。アレルギーは体の免疫機能が過剰に反応してしまう現象となります。

②過敏性肺炎

有機物の粉塵や化学物質といった抗原によって引き起こされるアレルギー性の肺炎。人が吸い込むことでアレルギー反応が生じ、肺胞や細気管支の周囲に炎症が起こります。

③気管支肺アスペルギルス症

アスペルギルスとは、自然環境に存在するカビ。胞子として空気中に漂っている菌を人が吸う事により肺への感染が起きやすいカビです。

④シックハウス症候群

建材、家具、日用品などから発せられる化学物質やカビ、ダニ、ハウスダストなどが室内に充満し、それを吸い込んだり肌に触れたりすることでさまざまな症状を引き起こす病気です。


4.まとめ

カビの発生条件で紹介したいずれかの対策を取ることが推奨されています。

部屋でエアコンの除湿、クローゼットであれば置き型の除湿剤などがあげられます。また換気を定期的に行う事で湿った空気を入れ替える事も大切になります。

また、ホコリや繊維、木材などカビの栄養源は様々ですが、室内を常に清潔な状態を保つ事で大きなカビ対策になります。

大切な住まいをカビから守る為にも定期的なメンテナンス、維持管理は大切になってきます。湿気対策を取り入れて、快適な住環境を維持していきましょう。