今後訪れる可能性のある食糧不足の問題を解決する一つの手段として、考えられている昆虫食。日本にはイナゴや蜂の子など昆虫食の文化は一部ではあり、今後市場拡大の予測があるものの、一方ではいろいろな問題を抱えているのも現状です。
では住宅を食べるシロアリは昆虫食としてはどうなのでしょうか?実際に昆虫食の可能性を研究している論文を参考にしつつ、筆者自身もシロアリの昆虫食を研究している機関のもと、なんと!実際にシロアリを食べてみました。果たしてどんな味だったのか?食べた感想も踏まえて最後までご覧ください。
1.昆虫食のいま
昆虫食は世界的にも関心が高まっていて、今後市場規模も拡大をしていくことが予測されています。
矢野経済研究所は、2020年の昆虫食の市場規模は約3億円と推計していますが、2030年には37億円になるということも予測されています。
昆虫食のメリットは環境負荷が少ないことといわれています。
その一方で、消費者からの嫌悪感は拭うことができず、生産側としても未開拓の分野ですので消費者側としても生産側としても問題を抱えています。
新たな市場として今後注目が高まっています。
2.シロアリの昆虫食としての研究
実はシロアリの栄養価など、昆虫食の研究対象として論文もだされています。
ヤマトシロアリ、イエシロアリ、タカサゴシロアリ、タイワンシロアリがどんな栄養価があるかなど研究対象として調査されています。
アミノ酸の含有率としてはイエシロアリやヤマトシロアリのほうが高いようですね。
また、シロアリにはカーストといい、役割によって形態が異なります。職蟻や兵蟻、ニンフや生殖虫がいます。
そのなかでもニンフの栄養価が高いということが知られています。
ですが、まだまだシロアリの昆虫食としては研究段階で栄養価以外にも繁殖方法などいろいろな課題があります。
3.シロアリの昆虫食は販売されている?
ではシロアリの昆虫食として購入することは出来るのでしょうか?こちらの記事を書いている2024年7月時点ではシロアリのハネアリは昆虫食として販売されており購入することができます。
それとは別にハネアリではなく生きているシロアリ職蟻は大学などの研究機関などで1匹10円が相場のようです。
私たちが食べ物としてある程度の数を相場価格として換算すると1食あたり10万円ほどとなります。高級食材にもほどがありますね・・
現時点ではシロアリを昆虫食として食べてみることは難しく、昆虫食として需要があれば繁殖方法なども確立されてくるのかもしれません。
4.シロアリを実際に食べてみた
実はとあるシロアリを研究している機関で昆虫食として食べる機会があり、実際にシロアリを食べてみました!
もちろんシロアリを食べるのは初めてです。
こちらの機関で研究をして繁殖しているシロアリです。シロアリの種類は「イエシロアリ」です。ヤマトシロアリとイエシロアリではイエシロアリのほうが食用として向いているそうです。
シロアリの食べ方ですが、そのまま生の状態よりもしっかり火を通したほうがよいらしいのでフライパンでいため、軽く醤油で味をつけていただきました。
※実際にシロアリを炒めている様子
フライパンで炒め始めるとパチパチとはじけるような音がしてきました。これはシロアリに油分が多いらしくそれでパチパチとはじけているそうです。そして、バーベキューでエビを焼いているような香ばしい香りがしました。
香りは、ほんとうにエビの香りそのままという感じです。
昆虫は外骨格といい表皮がキチン質でおおわれていますが、これがエビに近いらしくエビと同じような香りがするそうです。
では、味はどうなのか、、、
実食。
味は、エビに近い感じです。シロアリは小さいのでサクラエビに近いような感じがしました。美味しいのか?マズいのか?、、、エビに近い感じなので美味しいと思います。
ですが、まあ調理前の状態を見ているので毎日食べたいかというと、それはちょっと、、という感じもします。
1食10万円のごちそうでした。非常に貴重な体験をしました。
※今回ご協力いただいた方々、貴重な機会をいただきました。本当にありがとうございました。
5.まとめ
シロアリの昆虫食は現在研究対象として栄養価などが調べられています。ですが、昆虫食としてはほぼ市場にでまわっておらず研究対象や一部ペットや飼料などとしての売買となっています。味や香りはエビに近い風味で、極端な違和感はありませんでした。繁殖方法などは確立されておらず、昆虫食としては今後の課題になってくるかもしれません。ということでタイトルにある、シロアリは何の味か?という問いには「エビ」の味、でした。
昆虫食は以前から話題になってはいますのでいつか皆様の食卓にシロアリ炒めが並ぶ日がくるかもしれないですね。