シロアリは白い色をした木材を食べる虫として知られていますが、繁殖の時期になると羽ありになって飛び立ちます。では、シロアリはどこから幼虫でどこから成虫なのでしょうか?今回はそんなシロアリの成長について解説していきます。
幼虫・成虫とは?
そもそも幼虫とは?成虫とは?なんなのでしょうか?
幼虫とは、昆虫の幼生つまりこどもの姿のことをいいます。チョウだったらイモムシ、トンボだったらヤゴが幼虫にあたります。
成虫とは、脱皮をする昆虫がもうこれ以上脱皮をしない最終の状態になっていることを言います。
一般的に成虫は
● 幼虫に比べ寿命が短い
● 生殖器官がある
● 翅(ハネ)が現れる
などの特徴があります。
チョウの成虫と幼虫【完全変態】
チョウは幼虫の状態から、さなぎを経て、成虫の状態つまりチョウになります。
このことを「完全変態」といいます。
幼虫と成虫は外見も食べ物も大きく異なります。
幼虫のときは葉っぱなどをたべ、脱皮を繰り返し大きくなります。
チョウ(成虫)になると、翅(ハネ)が現れ飛んで移動をし、幼虫の時に食べていた葉っぱはもう食べません。
このようにチョウの場合は分かりやすく、幼虫→イモムシ、成虫→チョウの状態です。
シロアリの成虫と幼虫【不完全変態】
では、シロアリはどうなのでしょうか?
シロアリはチョウのようにさなぎになることはなく、生まれた時から足や大あごがあり職蟻と同じような外見をしています。
そして脱皮を繰り返し大きくなります。
このことを「不完全変態」と言います。
では、シロアリが脱皮を繰り返し成長し成虫になるとどうなるのでしょうか?
シロアリが成虫になると翅(ハネ)が現れ、羽アリとなります。
シロアリは名前の通り白っぽい色をしていますが、(白じゃないシロアリもいますが・・)羽ありは黒褐色や茶褐色などの色になり、目(複眼)が現れ、翅(ハネ)も現れます。
生殖器官も備わり、雌雄のペアになりコロニーの形成をしていきます。
つまり、シロアリの成虫はハネアリといえます。
ですが、全てのシロアリがハネアリになることはありません。
職蟻や兵蟻などのまま脱皮を繰り返し、一生を終えることもあります。むしろ、その方が多いでしょう。
生殖器官もなく、翅や目もない状態の職蟻や兵蟻は幼虫(終齢幼虫)と言えます。
シロアリの女王は成虫なの?
ハネアリが翅を落とし、雌雄のペアになり王と女王になりコロニーを形成していきます。
この王と女王は成虫と言えます。
ですが、シロアリの中には、ハネアリの過程を経ずに女王になることもあります。
この場合はどうなるのでしょうか?
いわゆる幼虫の状態から成長し、生殖器官をもつということになります。
このことを幼形成熟(幼生成熟)といいます。
シロアリには
● ハネアリから女王になるパターン
● ニンフから女王になるパターン
● 職蟻から女王になるパターン
などがあり、同じ女王と言っても女王になる過程が違ってくることがあります。
昆虫の例外や昆虫以外の幼形成体
シロアリ以外で幼形成熟をする昆虫や動物はいるのでしょうか?
実はシロアリ以外にも幼形成熟で繁殖する昆虫もいます。
ホタルの一種はメスのみ幼形成熟で幼虫のまま生殖器官をもち、オスは成虫の姿で繁殖をする種もいます。
また、ミノガの一種も成虫になるのはオスのみという種もいます。
昆虫以外ではアホロートル(ウーパールーパー)が有名です。
実はウーパールーパーは条件を満たすと、成体になることもできます。
成体ではエラ呼吸から肺呼吸になり、外見も大きく変わります。
また寿命も成体前は10年弱程と言われていますが、成体になると数か月から長くて5年と短くなってしまいます。
一般的な成体の特徴である「寿命が短くなる」に当てはまっています。
幼生の状態から成体の状態になることで体の負担が大きくなっていしまうためといわれています。
まとめ
ここまで解説をしてきましたが、実ははっきり決まっていないのが現状です。
● シロアリの成虫はハネアリまたはハネアリから女王や王になった状態のことを言います。
● 職蟻や兵蟻は幼虫のまま成長した姿。
● ハネアリを経ずに女王になる過程もある。
以上が、シロアリの幼虫・成虫の解説となります。
ご覧になっていただきありがとうございました。