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2025.05.23

シロアリとクロアリの違いについて

今回は、シロアリとクロアリの違いについてご紹介します。

1.シロアリとクロアリの基本的な違い

現在ヤマトシロアリのハネアリが発生するシーズンであり、おそらくビルダー様、一般のお客様から、シロアリ防除、駆除会社への連絡もピークになっていると思われます。

シロアリは人間が住む家屋、またはその他の建物内で、ほぼ目につかない箇所から侵入するため、気付きにくいのも無理はありません。

シロアリという名を聞いたことはあるが、どういった生き物なのか知らない、ハネアリは見たことがあるがどういった生き物なのか知らない、そんな認識が一般的ではないか、と思われます。

そもそもシロアリは一般的に見る黒い蟻と違うのか?、これはシロアリのハネアリなのか?、と聞かれることもあります。

それは知らない人にとって当たり前の質問だと思います。

現在そういった質問や疑問は、ネット社会の中、様々な情報で溢れかえっているため、ここで一般的なことは割愛させていただきますが、まず、シロアリとクロアリは全く別のもので、シロアリは昆虫網ゴキブリ目シロアリ科、クロアリは昆虫網ハチ目アリ科に属します。

 

2.シロアリとクロアリの生態と習性

シロアリの生態はゴキブリとは違い、クロアリの生態、習性に似たものです。

クロアリもシロアリも、女王アリを中心に、職蟻、兵蟻などが一つのコロニーを成し、それぞれはエサを運んだり、巣を防衛したりと、それぞれ役割が与えられ集団で生活しています。

このように役割を持って集団で生活する昆虫を「社会性昆虫」といい、社会生活の構造や仕組みはクロアリとシロアリでほとんど同じです。

ただ、クロアリはシロアリを食べてしまうことも面白い点で、シロアリにとってクロアリは天敵です。

 

3.シロアリとゴキブリの関連性とシロアリの種類

しいて言うなら、シロアリとゴキブリの共通点は「湿気を好む」ということです。

また、シロアリも種類が様々であるため、大まかな分類もまた調べれば出てくる時代ですが、例えば一般的に見受けられるヤマトシロアリでも、ゴキブリ目:ミゾガシラシロアリ科に属し、頭部に溝がある事でミゾガシラシロアリ科に分類されています。

完全変態と不完全変態に分けられ、クロアリは完全変態・シロアリは不完全変態の成長となります。

成長段階の違いで黒蟻は卵→幼虫→蛹→成虫 シロアリは卵→幼虫→成虫と蛹の段階が無いことで区別されています。

ヤマトシロアリ属としての種類は1種類ではなく複数の種類が確認されています。

人で言うと哺乳類→人類→(日本人・アメリカ人・フランス人)と言う感じです。

種類としは、カンモンシロアリ・アマミシロアリ・ミヤタケシロアリ・オキナワシロアリヤエヤマシロアリ・キアシシロアリ等がいます。

これらの多くは沖縄や九州など日本の南での生息が確認されています。

私たちの身近にいるヤマトシロアリは住宅を加害するシロアリとして認識されていますが自然界の中では朽ちた木等を分解し土に戻す役割をはたしており、害虫ではなく益虫としての働きになります。

 

4.羽アリの見分け方と発生時期

また、先に述べたように、この5月ごろに発生しているシロアリの羽アリはヤマトシロアリですが、6月ないし7月に入ると、クロアリの羽アリ、またはイエシロアリの羽アリが発生が見受けられます。

※ヤマトシロアリ ハネアリ

※イエシロアリ ハネアリ

シロアリのハネアリと、クロアリのハネアリとの違いは、同じ黒の胴体ではありますので、分かりづらいですが、観察して見ると他の見た目も違います。

 

※クロアリ ハネアリ

よく見れば分かるのですが、一般的に見たら羽アリは羽アリ、となってしまうのも無理はありません。

ただ、同じ社会性昆虫と言えど、見た目にもさまざまな違いがあるため、ハネアリとして見ても、分かりやすいのは

・くびれがはっきりしている

・翅の光沢、模様(翅脈)が細かい(シロアリ)か太い(クロアリ)

・翅が取れやすい、散乱(シロアリ)、翅をつけたまま落ちている、引っ張らないと取れない(クロアリ)

という点があります。

また、ハネアリの発生時期にも違いがありますので、特にヤマトシロアリのハネアリ発生時期は多種、他の虫とも時期が違うため、今年は今のこの時期、5月ピークになっています。

 

家屋への影響とメンテナンスの重要性

家屋を加害するのはシロアリです。ただ、気を付けなければいけないのは、クロアリは家を加害しないから、と安心するのではなく、クロアリが床下から発生している場合は、シロアリが住みやすい環境になっている恐れもあります。一生に一度か2度しかない事が無いであろう、高額な家屋を購入し、安心して生活できる環境となった大事な住居、ないし店舗、事務所など、生活上で可視できるところだけに注意してメンテナンスするだけでなく、床下などの見ない箇所への点検、メンテナンスも、お家を長持ちさせ、安心して暮らせるための一部となります。これらを知った上で、次回は現在の家屋とシロアリについて見ていきたいと思います。