昨今、この日本でも増え続けている外来種のアメリカカンザイシロアリという存在があります。
従来の地下シロアリと呼ばれている種とは異なる生態をしている為、ここではその生態や、地下シロアリとの違いなどを解説していきます。
ぜひご覧ください。
1.アメリカカンザイシロアリの歴史
カリフォルニア州を中心に発生していたアメリカカンザイシロアリですが、現在は世界各地で確認されるようになり、日本では1970年代頃から見かけるようになったと言われています。
外来種のシロアリで、海外からの輸入家具や建築材料に潜んでいた事から、日本に渡ってきたと言われています。
当時はアメリカカンザイシロアリという概念がなく、私が点検でお伺いしたお宅でも、以前にキクイムシの駆除をやった事があるという話で調査してみると、実際にはキクイムシではなくアメリカカンザイシロアリの被害跡でした。
2.アメリカカンザイシロアリの侵入
ではアメリカカンザイシロアリはどのように家屋に侵入してくるのでしょう。
一般的にシロアリが増えるのは、群飛シーズンと言われています。
群飛とは、シロアリが新しい巣を作る為に、今の巣を離れて活動エリアを広げる事です。
アメリカカンザイシロアリの群飛は一年中と言われていますが、主に6月から10月にかけてが多いです。
群飛によって家屋に侵入してきたアメリカカンザイシロアリは、被害箇所に直接卵を産み、そこを巣にしていきます。
3.地下シロアリとの違い
一般的な床下から侵入してくるシロアリと地下シロアリと言いますが、それに対してアメリカカンザイシロアリは乾材シロアリと種類で分けられます。
名前の通り乾燥した木材を加害するシロアリで、地下シロアリの湿った木材を好むものと異なる生態をしています。
その他にも生態の違いがいくつかあります。
蟻道を作らない
地下シロアリは紫外線や風を嫌う為、土や排出物で蟻道と呼ばれる加工された道を作るのに対して、乾材シロアリは作りません。
糞を出す、排出口がある
地下シロアリと違い、乾材シロアリは加害部から砂粒状の粉を排出します。
また糞は、加害部に排出口と呼ばれる孔を開けて排出します。
上記が大きな特徴ですが、コロニーと呼ばれる巣の構成数や、色、大きさなどにも違いがあります。
4.まとめ
皆様の一般的なシロアリというイメージとはかけ離れたものだったかもしれませんが、アメリカカンザイシロアリだけでなく外来種のシロアリに関しては、様々な特徴を持つものがいます。
世界にはおよそ2200種類のシロアリがいると言われ、また解明されていない事もあるので、今後新たな発見があるかもしれません。